お客様に口コミをお願いしてもいいですか。頼み方次第です。
地図に出てくるようになったけれど、口コミがほとんどない。
お客様にお願いしてみようか、でも自分から頼むのは気が引ける。そんなご相談をよくいただきます。
結論から申し上げます。口コミをお願いすること自体は、禁止されていません。線が引かれるのは、頼み方のほうです。
越えると困るのは3つだけです。お礼を出すこと、良いものだけを集めること、書く内容に口を出すこと。この3つを避ければ、あとは普通にお願いして構いません。
お願いすること自体は、問題ありません
まず安心していただきたいのですが、Googleは、実体験に基づく投稿を募ったり促したりすること自体は認めています。条件が付いていて、インセンティブを提供しないこと、評価や内容に影響を与えようとしないことです。
逆にいうと、この条件から外れた頼み方が問題になります。順番に見ていきます。
そもそも、こちらから何も言わなければ口コミはほとんど付きません。よい体験をした人ほど黙って帰ります。書くのは、よほど感動したか、よほど腹が立ったかのどちらかです。放っておくと、悪い評価の比率が上がるのはこのためです。
ですので、声をかけること自体はむしろ必要な作業です。やり方さえ間違えなければ問題ありません。
なお、ここでいうGoogleのルールと、法律のルールは別のものです。両方に引っかからない形にする必要があります。
お礼を出すと、その時点で越えます
いちばん多いのが、割引やサービスと引き換えにお願いする形です。
Googleは、直接的な金銭または現物が対価として支払われたクチコミや評価を禁止しています。さらに販売者側については、クチコミの投稿と引き換えにインセンティブを提供することも、否定的なクチコミの修正や削除と引き換えに何かを出すことも禁止しています。
「書いてくれたらドリンク1杯サービス」は、善意のつもりでも該当します。これ、結構見かけるんですよね。お礼の気持ちは、口コミとは切り離してください。
もう1つ、その場で書くよう求めることも禁止されています。タブレットを渡して目の前で入力してもらう、という運用は避けたほうが安全です。
この頼み方はやめる
□ 割引・サービス・金銭と引き換えにお願いする
□ 悪い評価を消してくれたら何かする、と持ちかける
□ 満足していそうな人にだけ声をかける
□ その場で書くよう求める、文面を用意して渡す
迷ったら、お礼と口コミを切り離す。それだけで大半は避けられます。
良い口コミだけを集めるのもだめです
見落とされやすいのがここです。
Googleは販売者について、顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したりすること、肯定的なクチコミを選択的に募ることを禁止しています。
「満足してくださった方にだけ声をかける」は、気持ちとしては自然ですが、選択的に募っていることになります。
お願いするなら、全員に同じ案内をする形にしてください。レシートに印刷する、会計時に一律でカードを渡す、メールの署名に入れる。誰に声をかけるかを都度判断しないで済む仕組みにするのが確実です。
手間も減ります。判断が要らない運用は、従業員にも任せられます。
もう1つ、低い評価が付くことを恐れすぎないでください。星が5つだけ並んでいる状態は、見るほうも身構えます。実際の感想が混ざっているほうが、読む人は判断しやすくなります。
誰が書いたかで、扱いが変わります
ここからは法律の話です。令和5年10月1日から、ステルスマーケティングは景品表示法違反になっています。
規制の対象になるのは、消費者庁の説明ではその表示の内容の決定に関与した事業者です。投稿した人ではなく、事業者の側が見られます。
大事なのは、明示的に依頼や指示をしていなくても、やり取りの内容や対価、取引関係などから見て第三者の自主的な意思による表示とは認められない場合には、事業者の表示に当たるとされている点です。「書いてとは言っていない」は通りません。
反対に、自主的な意思に基づく投稿は事業者の表示に当たらないとされています。ここが分かれ目です。
個別に依頼して報酬を受け取っている場合は、事業者の表示に該当する可能性が高いとされています。知人やお取引先に頼む場合も、同じ目で見られると考えてください。
安全な頼み方(そのまま使えます)
「もしよろしければ、Googleの地図から感想を書いていただけると励みになります。よい点も、こうしてほしいという点も、そのままで大丈夫です」
ポイントは3つです。
1 お礼を出さない
2 全員に同じ案内をする
3 内容を指定しない(悪い点も書いてよいと伝える)
悪い口コミは、消すより返すほうが効きます
お客様が書いた口コミを、こちらの都合で消すことはできません。ここは変えられない前提として受け入れてください。
できるのは返信です。そして返信を読んでいるのは、書いた本人ではなく次のお客様です。ここを間違えると、反論の応酬になって逆効果になります。
返す型は決まっています。事実を確認して、認めるところは認め、直したことがあれば書く。それだけです。感情的な内容であっても、こちらの文章が落ち着いていれば、読む人はそちらを見ています。
実際、悪い口コミが1件もない店より、低い評価に丁寧な返信が付いている店のほうが信用されやすいという感覚は、ご自身が客の立場で探すときを思い出すと分かると思います。
返信は全部に付ける必要はありません。ただ、低い評価には付けてください。返していないものだけが残っていると、そこが目立ちます。
書く人を決めておくのも大切です。社長がその都度対応しようとすると、忙しい時期に止まります。誰が書くか、どこまでを自分の判断で返してよいかを先に決めておくと続きます。
地図に出す準備そのものについては、近くで検索したとき、うちが地図に出てきませんにも書いています。
まとめ
口コミをお願いすること自体は、禁止されていません。線が引かれるのは、お礼を出すこと、良いものだけを集めること、内容に口を出すことの3つです。
そして令和5年10月1日から、事業者が関与した表示を隠す形はステルスマーケティングとして景品表示法違反になります。見られるのは書いた人ではなく、事業者の側です。
やることは難しくありません。全員に同じ案内をして、お礼は付けず、内容は相手に任せる。この形にしておけば、あとで問題になることはまずありません。
むらたすでは、こうした声のかけ方の設計から、実際に使うカードや文面の用意までご相談を承っています。いま使っている案内の文章を見せていただいて、直したほうがよい部分だけをお伝えする、という関わり方でも構いません。
まずは、会計のときに渡すものを1枚作るところからです。QRコードと一言を載せるだけで足ります。
この記事のようなこと、まるごと相談できます
むらたすは、HP・AI・集客・発信の困りごとを「まだ何を頼むか決まっていない」段階から相談できるデジタル顧問です。初回のご相談は無料です。


